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法人税の節税対策~自社株式評価の下げ方 その3 ホールディングス

2015 年 2 月 9 日

27年1月からいよいよ相続税の増税が始まりました。

相続税の基礎控除(相続税がかからない)は今まで
5,000万円+法定相続人×1,000万円
であったのが、27年1月からは
3,000万円+法定相続人×600万円
となり、6掛けとなってしまいました。

奥さんと子供2人という一般的な相続人の人数の場合、
3,000万円+3人×600万円=4,800万円
という基礎控除額になってしまいます。

東京近郊だと、例えば調布市国領に60坪の土地をもっていると5,000万円を
超える評価になります。

その他の財産も含めると、都心に近い東京23区に1戸建てを持っている人は
相続税を納める対象になってしまったということです。

やはり一度「相続税がかかるのか、否か」シミュレーションしてもらい、
本当に納税の可能性があるなら対策を打つべきだと思います。

特に相続対策は時間がかかるため、早めの決断が必要です。

当社はオフショア(海外)もからめた相続対策も行っているので、ご相談等
お気軽にお申し付けください(笑)

 

今日は昨年年末から解説している自社株式評価を下げる方法の3回目です。

兄弟会社を設立することになりますので、正確にはホールディングスとは異なる
のですが、グループ会社を設立して自社株式評価を下げる方法です。

A社の社長であるA氏は得意先である荷主B社を持っている運送業者です。

B社は毎日A社に対し関東一円のエンドユーザーへ宅配を依頼しています。

A社はB社の仕事を独占的に行っており、利益率がかなり高かったため、蓄積した
利益額が相当額になり、株価が高額になってしまいました。

またA社長には子供がC、D、Eと3名いて、どの子を後継者にするか迷っています。

A社長はそのためCにはC社、DにはD社、EにはE社を設立させ、それぞれ100%株主
でかつ代表取締役にしました。

A社長は関東の各地域をそれぞれの子供に任せるため、C社は千葉、D社は埼玉、
E社は神奈川に本店所在地を置くことしました。

A社は今までB社からの依頼を一括して引き受けてきましたが、B社からの
商流の流れをA社を通さずに、C社、D社、E社が直接受注を行えるようにします。

B社のアカウントが開かないとこの方法は難しいですが、会社の名前も
「(株)A社」、「A社(株)」、「A´(ダッシュ)株式会社」とC社、D社、
E社の名称をA社に良く似た名前にしています。

得意先B社に対しては契約書・請求書の名称及び振込銀行口座が変更になります。

もちろん今まで培ってきたA社の信用があってのことですが、会社の名称が
似ていると意外にB社経理部の拒否感が無かった感じがします。

C社、D社、E社の運転資金と、車両購入費用ですが、これはA社からの貸付金で
賄います。

車両は中古車のためそれほどの金額にはなりませんし、A社からの受注が
もともとあるため、運転資金も数ヵ月の固定費程度です。

ドライバー(従業員)は転籍させていきますが、就業条件は全く変えません。

業務実態はA社からC社、D社、E社に移っていきますが、A社の固定費(おもに
役員報酬)は減額しないでおきます。

するとA社が毎期赤字となるため、蓄積した黒字額が徐々に減少していきます。

同時にA社の株価も下がりますが、子息が業務を行ってるC社、D社、E社の株価は
上がっていきます。

A社の株式が出資額になった段階で事業承継と相続対策は終了です。

A社1社がトータルで4社(A社、C社、D社、E社)となるため、間接費は相応
にかかりますが、大きな先行投資があるわけではありません。

何よりA社の株式を莫大な相続税を払わずに実質的にC社、D社、E社に移行する
事ができるのです。

またこのスキームの優れているところは、通常だとA社の株式配分比率により
兄弟が経営権を巡って争う場面もある例が多いのですが、それぞれの子息に自分
自身の会社を任せているため、経営権を巡っての争いもありません。

早めにA社を清算したい場合はA氏が退職金をもらうことも一考です。

非常に単純なスキームですが、実務上効果的な方法です。

条件はある程度の時間がかかるため、現経営者(被相続人)の方がスケジュール
も含めて子息に対して事業承継(相続も含む)の方針を説明できるかといった
ところです。

スキームを行う際は細部の詰めが必要になってはきますので、一度ご相談下さい。