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Columnコラム

所長コラム

オフショアでの節税対策~法人・個人共に大きな節税となります!

2015 年 3 月 5 日

最近は外資系企業がクライアント先に増えたせいか、暦年で12月決算を行い、
2月に申告をする企業が増えてきました。

今までは2月と4月は忙しい上半期の中で、少しゆとりの持てる季節だった
のですが、最近は年末から3月まで怒涛のように過ぎていきます。

まだ寒さも残っていますので、体調には気を付けてお過ごしください。

 

今日は、以前解説した海外不動産を使った節税対策について改めてお話します。

日本の不動産が高騰し、所得税がますます増税になっていることが関連している
と思いますが、海外不動産を使った節税対策がかなり一般的になってきています。

最近はアメリカが本社の不動産会社やコンサルタント会社がアメリカの物件を
もって営業しに来ます。

実際海外の税制と比較しても、中古資産の償却が日本ほど多く計上できる国は
少ないと思います。

日本では固定資産の法定償却が実態とかけ離れて長いだけに、中古資産の早期
償却は魅力です。

では「日本に住んでいる個人」又は「日本法人」が海外の不動産を購入した場合
の税金について解説していきます。

 

前提条件として以下の条件の物件を購入します。

●取得価額:1億円の木造建物

日本だと建物は30年以上たてば価値がほぼ無くなりますが、海外の物件では
資産価値が安定しているものも少なくなく、1億円程度する物件もままあります。

●法定耐用年数:22年(今回の建物の経過年数は30年)

木造なので、耐用年数は22年となります。

●所在地:アメリカ

●減価償却額:2,500万円/年

既に30年経過しているこの建物の耐用年数は、中古資産の耐用年数を用いて、
22年×20%=4年となります。(端数切捨て)

この場合「減価償却」は耐用年数4年の定額法となり
1億円×0.25=2,500万円
が1年間の償却費用となります。

●売却価額:1億円

きちんと管理していたので、売却の時も1億円で売れました(笑)。

5年以内の短期譲渡と、5年を超えた長期譲渡の2パターンを考えてみます。

●不動産売却時の所得にかかる税率

□5年以内(短期譲渡)
39%(国税30%・地方税9%)

□5年超(長期譲渡)
20%(国税15%・地方税5%)

●法人税
40%

 

上記の前提で、

この建物を『個人』で取得した場合と『法人』で取得した場合の
シミュレーションを行います。

個人で海外不動産を購入する場合、その購入者が日本の税制が適用される
「居住者」であれば、海外の不動産を買って海外で人に貸した場合も、
日本で不動産を購入して不動産所得(若しくは事業所得)を得ているのと
同じ取扱いになります。

 

『個人の場合』

個人の場合は、収入の種類によって経費の計上の仕方が異なってきます。

まず大きく分けると、個人の所得は「総合課税」と「分離課税」に分かれます。

「総合課税」は●給与所得●不動産所得●事業所得●雑所得など全部で10項目
の所得を合算して所得(儲け)を出します。

これに対して「分離課税」は、

●土地の譲渡●有価証券の譲渡、それぞれの収益と損失を合算して所得(儲け)
を算出し、課税額を導き出します。

つまり、個人で不動産事業を行っている場合、不動産賃貸の所得(儲け)は
「総合所得」であり、不動産そのものを売却した場合は「分離課税」となり、
両方を合算することはできないのです。

まず、サラリーマンをしている個人が、アメリカの不動産を取得して
不動産賃貸業を始めた場合、初年度賃借人が入らなければ、

●給与所得  3,000万円
●不動産所得   0万円

不動産賃貸業を行っているため、減価償却額2,500万円は丸々不動産の経費
となります。

このサラリーマンの1年間の所得は、

3,000万円(給与所得)+(0円-2,500万円:不動産所得)=500万円

となり、

給与所得のみで3,000万円(税率40%)の時は1,200万円の税金でしたが、
不動産所得(△2,500万円)と合算したことにより、所得は500万円(税率20%)
となり、100万円の税金となります。

給与所得で納めていた源泉税が1,100万円戻って来る計算になります。

また、5年後にこの不動産を売却した場合ですが、4年で償却は終わっている
ので1億円の収入に対する税額は

(1億円(売却価額)-0円(取得価額))×39%=3,900万円

5年を超えて売却すると

(1億円(売却価額)-0円(取得価額))×20%=2,000万円

1億円で売れる場合、利益の繰り延べとも考えられますが、いずれにしても、
給与所得の3,000万円とは合算されないので、相当の節税となります。

 

『法人の場合』

次に日本法人でアメリカの物件を購入した場合ですが、これは不動産の賃貸収入、
不動産の売却損益いずれも法人事業の損益と合算できます。

減価償却費1億円(2,500万円×4年)は法人の経費となりますが、売却時の
1億円は収入になってしまいます。

個人と同じく建物1億円の償却を終わらせた後に売却するので、利益の繰り延べ
となっていますが、長期譲渡の場合でも税率は40%なので、個人と比較すると、
節税額は低くなります。

 

『リスク』

ここで海外不動産を購入した場合のリスクもお話ししておきます。

海外不動産を持つうえでのリスクは、当たり前ですが、AM(アセット・
マネジメント)とPM(プロパティ・マネジメント)がしっかりしている物件
を探せるかということです。

節税対策で購入する場合は長期での所有はないとしても、5年間保有している間
に、建物がボロボロになったり、素行の悪い住人が住んでしまって次に買い手が
つかなくなることは避けたいものです。

また購入する不動産の土地の比率があまりに大きいと建物の償却が取れなく
なります。

加えて購入時の修繕費が取得物件の価格の半分を超えてしまうともはや中古
資産とはみなされません。

海外なので特に上記には気を付けて購入するようにして頂ければと思います。

不明点もしくはご興味がある場合はいつでもご連絡ください。